聖地巡礼シリーズ

戦国関連というかバサラ関連というか…。
バサラキャラが表紙の「聖地巡礼」本が書店の
店頭に飾ってあるのを見てびっくりした。
政宗、幸村、元就、元親の４種類。

内容は、各武将ゆかりの地のご案内らしい。
伊達や真田はともかく、元親は四国限定か…？
ぱらーっと政宗だけ見て、ちょっと欲しくなった。
しかし落ち着け私。

こんなんばっかり買ってたらキリがない。
（今日も違う戦国本買っちゃったし…）

伊達政宗の手紙

意外と感想書いてない本あるんだなぁ…でもそろそろ読む方も
飽きたと思うのでこれで最後。そして最高にイチオシの一冊である。

その名も「伊達政宗の手紙」

これを読めば多くの女性が「上司にしたくない武将No.1」に
するだろう政宗の赤裸々な実態が明らかになっている。
現存する千通にもなる政宗の手紙の中から何通か
チョイスして現代語訳し、彼の性格をひもとこうという試みだ。
そ中で個人的に特に必見なのは、

「今日一緒に連れて行く小姓は当日自分で発表する。
なぜならその方が本人がやる気出して喜ぶから」

と、勝手に思い込んでいる点だ。
ワンマン社長にありがちな一方的善意をふりかざして
周囲を顧みない彼の性格がよく表れている一通だと思う。
私だったら絶対事前に言って欲しいしその方が合理的だと
思うので、こんな上司はイヤだ。

筆まめで芸術家肌だったらしいが、そのせいで年下の
恋人に宛てた手紙とかも残ってるのがイタさ満開。
イイ年して地位も身分もあるのに、

「お前みたいに人前で恋人だってアピールしたいけどさ、
もう年だし世間体もあるから見られるのが恥ずかしいんだ。
でも大好きだぜ」

という女々しい手紙も書いている。
これなら読ませない方がよくないか？
私がこんな手紙もらったら「なんていい訳がましい奴」と
腹立つけどなー。恐れ多くも殿様からもらった手紙なら
どんな内容でもありがたがるのが家臣兼恋人って
ことなんだろうか。

…とまぁ非難ばかりしてみたが、私は政宗のダメな点が
大好きなので、いちいちウケたりモエたり忙しかった。
そしてヲタク的に外せないポイントは、政宗が小十郎に
宛てた手紙には

「かた小」へ　「まさ」より

とものっそいフレンドリーさを発揮している点である。
史実がコレって腐女子には万歳三唱ですよもう…!!!

出来れば手元に置きたい一冊なのだが、
絶版なのがどこまでも惜しまれる。

独眼竜政宗

一時期、伊達関連の本も読み漁った。
その時に出会った一冊がコレ。

以前話した早乙女貢の本とは違う、またしょっぱい武将絵が
表紙の政宗時代小説である。作者、三好京三。
歴史上、政宗にとって倫理的にマズい話は全て
「シモジモの者の噂話」で片付けようとした意欲作。
撫で斬りや正室・愛姫の侍女お手討ちに始まり、母から毒殺
されそうになったことまで噂話にしようとしたのはむしろあっぱれ。
それより更に問題な政宗の所業に関しては、フォローしようが
ないのか「書かない」という問題解決法を採用。
成実が出奔した時彼の身内を殺してみたり、臣従すると言った
周辺住民を信用しきれず集めて皆殺ししてみたり、けっこう
彼はアレコレやってるんだけど、くさい物には蓋ですか。
その一方で、愛姫他、側室全員もキレイに口説くフェミニストとして
書かれている。作者自身がフェミニストなのか、困った時はすぐ
愛姫が助けてくれて、本人けっこう無知無力をひけらかしている。
ちょっとドラ○もんとのび○の関係を思い出した。

しかし武将はそんなんじゃ生き残っていけないって。
情報収集だって重要な戦略の一つなんだよー（涙

化粧槍とんぼ切り

幸村の兄、信幸の嫁「稲姫」、つまり兄の奥さんの小松が主人公の話。
小松は無敗伝説・本多忠勝の娘なので、真田と本多の描写が中心。
稲姫を中心に書くという試みが面白いのは良いことだが、作者が
稲姫好き過ぎて周囲が見えなくなってしまっている感があった。
幸村が兄を好き過ぎて兄嫁に敵対感情を持つのは仕方ないとしても、
仮にも戦国武将人気ナンバー１（らしい）幸村をあれほど
けちょんけちょんに描写した時代小説もめずらしかろう。
だって「いじけているところがある」ってひどすぎる。
小松の子供だけ無視する弟とかどんだけ度量が狭いんだ。
天下の真田なのに小松に言われたくないよ（涙
大坂の陣後、真田家取り潰しの危険も小松の機転で領地が
安堵された、くらい描写になってるのは兄ファンも敵に回したと思う。
とりあえずヒロインの相手役、兄はカッコ良かったけど、
弟は武将としてはツマンナイ男だった。最悪！
あと、珍しく真田の三男がけっこう目立ってた。

ま、まぁ一度読んでみるのも良いと思う。
あ、ちなみに「とんぼ切り」は忠勝の有名な愛槍で、稲姫は
真田に嫁ぐ時にこれのレプリカを化粧槍として持参した、という
ことでこういうタイトルになっている（らしい）

疾風真田旗

一時期、真田と名が付くものは片っ端から読んでいた
時期があり、これもその時に読んだ本のひとつ。
そして失敗だった。

プロローグを抜けて本編20ページ目にしていきなり
幸村と配下のくのいちのねんごろシーンが出てきて
なんだか取り残された気持ちになり、話もよく理解
出来ないまま疎外感が持続して最後まで来てしまった。
きっと、歴史上の誰だか解らないオリキャラが主役のごとく
目立っていて、しかもそれが皆に愛されてたりしたからだと思う。
物語の狙い目もよく解らなかったし。
「１」と書いてなかったが「続」と終っていた。

とりあえず、私は読まない。
（もっと書くことないんか…）